新しく起業するにあたり、「社名」は重要な要素ですね。
いろいろな起業アドバイザーからは、「社名」はわかりやすく「事業内容が理解しやすく」「覚えやすい」ことが愛される秘訣と言われていました。
「静岡コミュニティ・アンド・モビリティ株式会社」
長いですねぇ....。
これ、起業された方は分かると思いますが、設立から銀行口座設立、税務署の届け、各種事業申請などに、とかく社名を書く機会が多いです。スタンプもありますが、それぞれ書く項目の大きさが違うため、結局「書く」事が求められます。自分で名前を決めて、自分で「長くね?」と実感しています。😂
一応、略式名を「Com & Mob」「コムアンドモブ」としています。もっと短くは、「C&M」 もしくは「CM」と表しています。事業のひとつ「貨物軽自動車運送事業」は、「CMカーゴサービス」というブランドとしました。
まぁ、社名とブランドが違うことはよくある話で、あえて異なる名前としました。
それは「コミュニティ・アンド・モビリティ」という言葉に想いがあるからです。
「コミュニティ」とは「情報伝達」と略され、「形の無いものの伝達(移動)」です。
「モビリティ」とは「輸送手段」と略され、「形のある物の移動(手段)」です。
ひと言で言えば「形のあるもの、ないもの全ての移動およびそのネットワーク」を意味しています。
会社設立のビジョンは「静岡のまちをよくしたい」というものです。特に「少子高齢化」「東京一極集中」「若者・女性の転出超過」「人口減少」「経済縮小」と、従来誰も経験した事のない右肩下がりの経済状況を経験しています。そして、これは今後常態化することがわかっています。でも、今まで私達が経験してきて体得した営業方法は右肩上がり経済で、「人口増加」「経済拡大」のなか、先行投資してそれを回収し拡大によって隙間が広がった部分に新たな事業(ニッチ事業)を展開し市場を拡大するというものでした。しかし、これでは今の現状に即しません。
コロナ禍における経済停滞は、いずれ回復するでしょう。でも、コロナ前の状態に戻ることはありません。なぜなら「少子高齢化」「人口減少」は、着実に進行しています。さらに国際情勢を踏まえれば、なんとなしに「大丈夫でしょう」とは思えないのが現状だと思います。
その状況で従来と同じ戦略方法で進めると、一気に状況が悪化することが懸念されます。
例えば、市場拡大のために「割引き」をします。これが市場経済ですね。この「割引き」の原資は将来増えるであろう「利益」です。拡大経済ではこれができたのです。でも経済縮小では、この「割引き原資」を回収できなくなります。
仮に競合相手に打ち勝ち、地域におけるシェアを完全制圧したとしましょう。それは「勝ち組」です。が、翌年から「前年割れ」を起こします。なぜなら、「人口減少」「経済縮小」だからです。
では、どうするか。当然、「値上げ」が始まります。
でどうなるか。
地域住民が「住みにくい」といって他の地区へ移住していきます。これが「地域崩壊」です。
資本主義は行き着く先は、この状況を作り出します。70年代のアメリカの内陸部を見ればよく分かります。
60年代、拡大するアメリカ経済は東海岸から西海岸へと進出し、大陸間横断道路が開発され、多くの物流が西部をめざしました。アメリカンロックの「ルート66」がその代表曲です。内陸部の街は、中継地として「ホテル」「外食」「ガソリンスタンド」が繁栄しました。
その後、70年代にハイウェー網が拡大すると、中継地の街を素通りしていく様になります。そして「ホテル」「レストラン」「ガソリンスタンド」は縮小して行きます。ディズニーアニメ映画の「カーズ」はちょうどその頃のストーリーですね。「ホテルカルフォルニア」は、その荒廃していく中継地のホテルが舞台です。
同じくして、60年代、繁栄をもたらした「ガソリンスタンド」で価格競争が始まりました。そして、バック資本を効かせ「エリクソン」が街道の「ガソリンスタンド」を占有していきます。全米トップのガソリン販売業となりました。でも、そして「割引き」戦略から「値増し」戦略に舵を切ります。なぜなら「競合」がいないからです。そして、70年代に利用減に伴いさらに価格が上昇し、客離れを起こします。
時を同じく、国内ジェット旅客機網が完成し東海岸から西海岸への移動は、ジョット旅客機であっという間におわり、「移動すること」が楽しみだった大陸横断が「移動した後」の楽しみへと変わっていきます。
映画でも「ラ・バンバ」では、プロペラ機で移動して墜落した「リッチー・ヴァレンス」が描かれていました。「アメリカン・グラフィティ」では、ジョット機で内陸部の街から都市へ移住していく直前の夜をテーマにしていますね。
東部から西部への物流の主軸は、国道からハイウェー、そしてジェット旅客機へと変貌し、それに伴い、内陸部は「人口減少」「経済縮小」となりました。そして「都市崩壊」が起きました。
これらは、アメリカ全体は、ベトナム戦争による経済縮小もあったものの、全体としては、経済拡大していく中での出来事でした。
今は、日本全体が「人口減少」「少子高齢化」「経済縮小」なのです。
この状況で「自分だけ儲かれば良い」という発想では、自分も含めて地域全体が崩壊していきます。それは分かっているはずです。でも「まだ大丈夫だろう」という根拠の無い「変わりたくない」心が、阻害しています。
地域崩壊からいかにして防ぐか。
アメリカでは、東部、西部の大都市依存の経済から、地域における経済圏を作って行きました。野球チームを運営したり、レースやイベントを誘致したり、カジノを誘致したラスベガスもある意味地域活性化ですね。
他の地域は取り敢えず目を向けていられません。まずは自分の地域を活性化させることが重要です。他の地域は、それぞれの地域が対等に連携が取れるようになれば良いと思います。他の地域を制圧しようと考えるから巨大な資本に負けるのだと思います。
ガーファですら入り込めない領域。それが「地域経済」です。
「地域」とは、「人と人」「物と物」「カネとカネ」が距離的に近いもの同士で回していることです。その一番重要なのが「ヒト」だと思います。IT化した現在だからこそ、ヒトの「目と目」「顔と顔」「口と口」「手と手」を付き合わせた「コミュニケーション」が最重要だと思います。
よく「BtoB」「BtoC」とか言われます。「ビジネス」「コンシューマ」という関係性を言っていますが、地域経済は「FtoF」だと思います。「Face to Face」ですね。
この「FtoF」の事業モデルとして、「お金」は、金融業とか投資とか簡単に小資本でははじめられません。でも「ヒトとの絡み」「物の移動」は、すぐにはじめられます。
そんな想いで、「コミュニティ・アンド・モビリティ」という長い名前になりました。
「静岡」は、私自身「静岡」以外に関心が無いからです。他の地区は他の人が考えてやれば良いです。私は「静岡」にこだわりたい。だから敢えて地域を限定しました。
長い社名の説明も、長いですね。
私の、熱い想いが社名の由来です。
代表取締役 淺場
Comments